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SONY ハイレゾウォークマン®NW-A35

by 橋本 尚久

前回ヘッドフォン並みの音場の広さと音質の高さを持つDENON AH-C820 イヤフォンを紹介しました。コンパクトで場所を取らない高音質イヤフォンがあるとポータブルデジタルオーディオプレイヤー(DAP)も小型で気軽に外へ持ち運び出来る高音質なものが欲しくなってきます。SONYのハイレゾウォークマン® には2016年10月29日に発売になったハイレゾウォークマン®のエントリーモデルであるNW-A30シリーズがあり、イヤフォンが付属しない内蔵メモリ16GBのNW-A35は実売約2万円で販売されています。

NW-A30シリーズ

上の写真の通り、同じく2016年10月29日に発売になったNW-WM1A/1Zシリーズと操作はほぼ同じです。音楽再生に特化しており、動画再生やWiFiによるインターネット接続機能はありません。大きさは名刺より少し縦長なくらいで、厚さは約1cmくらいです。重さも98gと軽く持ち運びには丁度良いサイズです。

NW-WM1A/1Zシリーズとの違いは?

面白いことにNW-WM1A/1ZシリーズにはないAM/FMラジオ機能やモノラルですが音声録音機能(MP3 96kbps~320kbps)、語学学習機能があります。NW-WM1A/1Zシリーズにある再生画面選択機能(アナログレベルメーター、スペクトラムアナライザー)はNW-A30シリーズにはありません。

ハードボタンの操作系はNW-WM1A/1Zシリーズと同じで、右から電源ボタン、音量+ボタン、音量-ボタン、曲スキップ、再生/一時停止、曲戻しボタンで、NW-WM1A/1Zシリーズでは本体左側面にあったホールドスイッチが本体右側面の一番左側にあります。

底面には左から3.5mmステレオミニジャック、WM-PORT、ストラップ取り付け穴とあり、当然ながらバランス出力には対応していません。なお、エントリーモデルながら、WMC-NWH10ハイレゾ・オーディオ出力用USB変換ケーブルを使えばPCMで最大384kHz/32bit、DSD RAWで最大11.2MHzまで出力することができます。これにより後々DACポータブルアンプを追加してステップアップできます。2万円台のDAPでデジタルオーディオ出力を持つものはなかなかないので、この機能は地味ですが大きいと思います。

その他、低音や高音を調節するイコライザー機能、圧縮音源やCD音源を192kHz-32bit相当にするDSEE HX機能、低音をアナログアンプの特性に近づけるDCフェーズリニアライザー機能、曲毎の音量の違いを自動調節するダイナミックノーマライザー機能はNW-WM1A/1Zシリーズと同様に搭載しています。なお、DSEE HXとDCフェーズリニアライザーはオンかオフしか選べなくなっています。NW-WM1A/1Zシリーズにない機能としては、ソフトウェアによるDSP的な処理で音の広がりをよりサラウンドに近づけるVPTという機能があります。これをオンにすると聴感上音の広がりが増しますが、音質的には音の緻密さが損なわれるような感じになるので、通常はオフ推奨です。

その他、NW-WM1A/1Zシリーズではソースダイレクトだった部分がクリアオーディオとなっており、これをオンにするとソニー推奨のイコライザー設定やVPT設定になります。これも通常はオフ推奨です。

外部micro SDXCメモリはほぼ必須

NW-A35は本体メモリが16GBしかないので、外部micro SDXCメモリは必須と言えます。メーカーでは128GBまでしか正式対応していませんが、非公式ながら下記写真の256GBのmicro SDXCメモリが認識でき使えます。なお、このmicro SDXCメモリは読み出し速度95MB/秒、書き込み速度90MB/秒と高速です。

気になる音質は?

音質は実質2万円を切る価格のDAPとしては大健闘しています。流石に最上位モデルのNW-WM1Zと比べるのは酷ですが、DENON AH-C820 イヤフォン使用では低音から高音の伸びや音の広がり・分離も申し分なく、気軽に外に持ち運べるDAPやハイレゾ入門機として大変コストパフォーマンスが高いモデルだと思います。出力が最大35mwとそれほど高くないので、インピーダンスの高い能率の良くないヘッドフォンは別にヘッドフォンアンプが必要になると思います。SONYのヘッドフォンであるMDR-Z7MDR-Z1Rはボリュームを最大120のうち90~95くらいにしないといけませんが特に問題なく再生できました。このNW-A35DENON AH-C820のような高音質イヤフォンと組み合わせるのがサイズ的、コストパフォーマンス的にもベストバランスではないかと感じました。もしDACヘッドフォンアンプと組み合わせるとすればCHORDのMojoがサイズや音質、ヘッドフォンの駆動力の高さからベストかも知れません。

気になる点は?

NW-WM1A/1Zシリーズでも言われていることですが、動作にややモッサリ感があり、特にタッチパネルの感度があまりよろしくないことです(本体ファームウェアは1.02)。操作感についてはスマートフォンのようにそうしょっちゅう画面を操作するものでもないので許容範囲と言えなくもないですが、NW-WM1A/1Zシリーズと違い画面のサイズが小さく画面上のボタン類を操作しにくくなっていることもあり、操作感が良くないのは気になる方は気になるかも知れません。またNW-A35はたまに音飛びがします。メーカー非推奨の大容量256GB外部microSDメモリーに音楽ファイルを格納していますのでその関係があるかも知れません。この音飛びも起こるときは起こるのですが、起こらないときは1時間以上連続再生しても起こらないこともあり、再現性がなく、音飛びの頻度もそんなに高くないのでこんなものと思って様子をみるしかなさそうです。なお、この音飛びに関して上位機種のNW-WM1Zでは本体メモリのみ使用のためか発生したことはほとんどありません(ファームウェア1.00の時に1回ありましたが、ファームウェアを1.01にして再起動したらそれ以降発生しなくなりました)。ですので、音質は価格を超えた素晴らしいものがありますが、操作感や外部SDメモリー再生での音飛びに関して気になる方は十分操作や試聴されてから購入を検討された方が良いかと思います。SONYストアでの購入ですと最初から3年メーカー保証が付きますので安心かと思います(有料で5年に変更可能)。

総評

小型・軽量で音質も価格を超えたものを持っており、USB接続でPCMで最大384kHz/32bit、DSD RAWで最大11.2MHzまで出力可能で外部DACアンプとも接続可能な拡張性も持っており、大変コストパフォーマンスに優れたDAPです。欠点としては操作は分かりやすいですが操作感にやや難ありで、外部microSDメモリーからの再生で音飛びが見られる場合があること、メモリーでの音楽再生に特化しているため、WiFi等でのインターネットのストリーミング再生には対応していないことなどです。特に音質は素晴らしいのに操作感が良くないのはエントリーモデルとして幅広いユーザー層をターゲットにしているだけに勿体ない気がします。

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橋本 尚久
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